金貨の画像が黒い理由

金貨の画像を見ていると、不思議に感じるかもしれません。色が黒い金貨があるからです。
下の金貨は、いずれも金(きん)で作られています。しかし、金色の輝きがない部分があります。正確には、黒にしか見えない部分があります。これは、一体何でしょうか。
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黒は輝きの証拠
この黒色ですが、金貨が鏡のように輝いていることの証拠です。
ウェブサイトに金貨の画像を掲載するために、写真を撮ります。カメラで撮影したり、スキャナーを使ったり、写真を撮る方法はいくつかあります。
そのいずれの場合でも、活躍するのが「フラッシュ」です。フラッシュを使うことで、より鮮明な写真を撮ることができます。
金貨が黒くなってしまうのは、このフラッシュが原因です。
画像が黒く写ってしまう金貨は、プルーフと呼ばれます。日本語で「鏡面仕上げ」です。この漢字の通り、あたかも鏡のように金をピカピカに仕上げています。
その金に刻印して金貨を作ります。
そのような金貨に向かって、真正面からフラッシュを使います。すると、ストロボから出た光は、金貨の表面で完璧に反射して、カメラのレンズに飛び込んできます。
あまりに完璧に光を反射してしまうので、カメラやスキャナーの画像が黒くなってしまいます。
黒くない部分は、光が乱反射している
では、光を完璧に反射している部分が黒いなら、その他の金色に見える部分はどうなんでしょう?この部分は、鏡のようにはなっておらず、デコボコとしています。
よって、光が乱反射して、私たちがイメージするような一般的な金色を楽しめます。
傷がつくと、黒でなくなる
なお、プルーフの金貨であっても、鏡面の部分に傷がつくと、鏡のような完璧な状態でなくなります。すなわち、フラッシュを使って画像を撮ると、色は黒くなりません。金色になります。
よって、現物を見なくても、写真の黒さを見れば、どれほどプルーフの状態が維持されているか予想できます。
アンティークコインの場合、発行から概ね100年以上が経過しています。よって、大切に保管されてきたとしても、細かい傷がついてしまうのは止むを得ません。
この場合、モダンコインと比べれば、その輝きは少し劣ることになります。
モダンコインはケースから出さずに保管したい
現代の記念金貨は、金の純度が100%近くのことが少なくありません。また、製造方法も極めて優れています。すなわち、ピカピカです。
写真を撮ると、上で紹介したコインのように、鏡面仕上げの部分が真っ黒になります。
保存の利便性を考えて、このようなコインはプラスチックケースに保管されています。このケースを破壊して中の金貨を取り出すと、細かい傷がついてしまいます。その分だけ輝きが失われてしまいます。
金貨を直接手に取ってみたいという気持ちを抑えて、ケースに入れたままで大切に保管しましょう。
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