人の形をデザインした世界最初の金貨【リディア ダリク金貨】

製品案内【アケメネス朝ペルシア】
翻訳

アケメネス朝ペルシア
「槍と弓を持って走る王」

発行国 アケメネス朝ペルシア
発行年 紀元前486年~450年(推定)
発行枚数 不明
Fr 459

【コインNo】 7905
【額面】ダリク
【直径】16mm
【重量】8.32g
【素材】金
【グレード】VF
【価格】520,000円(税込)

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アケメネス朝ペルシアは、紀元前550年から紀元前330年まで続いた国家です。すなわち、2,500年近く前に作られた金貨です。

アケメネス朝ペルシアの場所(最大版図の予想図)を、下の地図で確認しましょう。

アケメネス朝ペルシア地図

西はエジプトからギリシャまで、東はパキスタンからインド辺りまでという広大な領土を持っていました。

イランにとってのペルセポリス

アケメネス朝ペルシアの首都は、ペルセポリスです(地図の右側の赤枠)。現在のイランにあります。その他にも、首都機能を持った都市が複数ありました。

このペルセポリスですが、今では廃墟になっています。アケメネス朝ペルシアは、アレクサンダー大王によって滅ぼされました。その際に、放火・破壊されてしまったためです。20世紀前半の発掘によって、その全貌が明らかになりました。

そして、1979年に世界遺産に登録されています。また、イランで1971年に発行されたコインには、ペルセポリスの景観が刻まれています。

日本の都市で世界遺産に登録されたのは、京都、奈良などです。このことから、イランにおけるペルセポリスの位置づけが、多少なりとも想像できます。

リディアの技術でコインを製造

アケメネス朝ペルシアは、その勢力を拡大する過程で、世界最初の金貨を作ったリディアを征服しています。上の地図の左側の赤丸部分です。今のトルコにありました。

そのリディアの技術を使って、金貨(ダリク金貨、Daric)や銀貨(シグロス銀貨、Siglos)を作りました。

冒頭の金貨は、リディアの技術を使って作ったということになります。金貨の純度を見ますと、100%に近い数字です。リディアの金精製技術がいかに素晴らしかったかが分かります。

そして、リディアの金貨は、世界最初という意味で価値があります。

アケメネス朝ペルシアの金貨も、ある点で世界初を誇ります。それは、「人の形をデザインした世界最初の金貨」という点です。コインのデザインを確認しましょう。

金貨のデザイン

槍と弓を持って走る王

誰かが右向きに走っているデザインだと分かります。このコインの愛称は「槍と弓を持って走る王」(英語名:Kneeling king running with spear and bow)です。

よって、この人物は王様なのだろうと予想できます。しかし、近代以降のコインと違い、何も文字が書いてありません。よって、この像は王様でなく、神様かもしれませんし、何かの英雄なのかもしれません。

左手には、当時の王権の象徴とされた弓を持っています。このため、王様だろうと考えるのが自然です。

コインの裏側を見ますと、何もデザインがないように見えます。正確には、何か長方形のような形が刻印されているのが分かります。

これは、何かを意図しているのではなく、土台の形です。金貨を作る際、金を土台に固定してハンマーでたたいて、デザインを作ります。その際に、土台の形も同時に刻印されたということです。

複数のデザインがある

なお、この「槍と弓を持って走る王」ですが、複数のコインが現代に残されています。それらを比較しますと、デザインがわずかに異なるコインがあることが分かります。例えば、槍と弓を持っているのでなく、短剣と弓を持っているという具合です。

この理由ですが、以下の通りです。

  • アケメネス朝ペルシアは国を「州」に分けて統治しました。その州の支配者が自らコインを作りました。
  • アケメネス朝ペルシアは200年以上にわたって存続しました。よって、時とともに徐々にデザインが変わってきた可能性もあります。

とはいえ、王様(?)が右向きで走っていること、そして、王権の象徴である弓を持っているという点は同じです。

また、一つ一つ手作業で作ります。このため、コインの形は円形ですが、いびつになっています。ここでご紹介しているコインは、円に近い形をしています。さらに、人物全体がコインに収まっています。

その分、アンティークコインとしての価値は高くなります。

金貨の用途

なお、この金貨の用途ですが、日常の買い物ではありません。金貨は高価なので、一般の人々が使うには高額すぎます。

このコインは、主に傭兵や兵士に対する報酬として支払われたと考えられています。

  • 兵士全員に、均等に配布できる
  • 小さいので、持ち運びが簡単である
  • どんな気候条件で保管しても、元の姿を維持し続ける

金貨は、以上の特徴をすべて満たしています。よって、兵士に報酬として支払うのに最適でした。

ということは、ここでご案内していますコインも、最初はだれか兵士がもらったことでしょう。それが何か別の物と交換され、金貨は商人などの手に渡ったと予想できます。その後、様々な状況を乗り越えて現在に受け継がれています。

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