【スペイン】10エスクード金貨と100レアル金貨

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イサベル2世の金貨を比較

通貨制度は、その地域に住んでいる人々の生活に大きな影響を与えます。よって、いかに便利か、そしていかに分かりやすいかが大切になります。

しかし、制度の変遷に伴って、同時に2つの制度が併存することがあります。19世紀のスペインを例にして考察しましょう。

10エスクード金貨と100レアル金貨

下の2枚は、10エスクード金貨と100レアル金貨です。両方ともイサベル2世の治世に発行されており、ほぼ同時期の金貨です。

スペイン イサベル2世 六頂星タイプ 10エスクード金貨

【コインNo】 8153
【発行国】スペイン
【額面】10エスクード
【製造年】1868年
【直径】22mm
【素材】金
【グレード】EF
【価格】62,000円(税込)

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スペイン イサベル2世 六頂星タイプ 100レアル金貨

【コインNo】 8154
【発行国】スペイン
【額面】100レアル
【製造年】1861年
【直径】22mm
【素材】金
【グレード】EF

売り切れ

10エスクード金貨と100レアル金貨ということは、通貨単位が異なります。しかし、上の2枚の金貨を比較してみますと、以下の通りです。

項目 10エスクード 100レアル
材料
直径 22mm 22mm
重量 8.37g 8.40g
品位 0.900 0.900

10エスクード金貨の重量が8.37gとなっています。8.40gよりも軽いですが、これは製造時の誤差、または、流通の過程でごくわずかに削られたと予想できます。

当時の通貨価値は、貨幣の材質と重量に依存していました。すなわち、この2種類の通貨は同じ価値だったということです。

アンティークコインとしての価値も類似

興味深いのは、現代における価値です。上の案内を見ますと、両方ともグレードはEFです。グレードが同じというのは偶然でしょうが、価格が同じという点が興味深いです。

すなわち、当時の金貨としての価値は同等、(グレードが同じなら)アンティークコインとしての価値も同等ということです。

両方の金貨とも、希少性が同じくらいだということを意味しています。

デザインの比較

では、この2枚の金貨は、デザインも同じでしょうか。それとも、異なるでしょうか。比較してみましょう。

イサベル金貨のデザインを比較

この2枚が作られた年は、異なります。よって、コインの最下部にある年号が異なります。また、この2枚はそれぞれ異なる保存状態を経て現在に受け継がれています。よって、輝きの具合なども多少異なります。

しかし、デザインという点で見ると、全く同じだと言えるでしょう。髪の毛の線まで全て同じに見えます。

ちなみに、コインの周囲に書いてある文字は、「ISABEL 2A. POR LA G· DE DIOS Y LA CONST」です。

英語で「Isabel II by the Grace of God」となり、意味は「神の恵みにより王位に就いたイサベル2世」という趣旨です。

紋章のデザイン

次に、紋章のデザインを比較してみましょう。違いはあるでしょうか。

紋章デザインを比較

比較しますと、紋章のデザインは、明らかに異なることが分かります。上の2つの金貨は、同じイサベラ2世時代の製造ですが、年代が異なります。以下の通りです。

  • 10エスクード金貨:1865年、1868年、1873年
  • 100レアル金貨:1856年~1862年

すなわち、上のデザインの100レアル金貨製造が終了し、10エスクード金貨を製造する際に、その当時の最新の紋章を採用して作り直したと考えられます。

では、どう変わったか?ですが、良く見ると…。100レアル金貨の紋章の中心にある盾部分、この部分が10エスクード金貨に採用されていると分かります。

下が、その紋章のデザインです。盾の周囲にあるのは、スペインの最高勲章である金羊毛勲章(the Order of the Golden Fleece)です。

金羊毛騎士団の勲章版

盾の中の絵ですが、左上と右下は、カスティリャを表す城です。右上と左下は、レオンを表すライオンです。真ん中は、ブルボンを表すユリです。そして、一番下に、グラナダを表すザクロの絵があります。

また、コインの周囲にある文字は、「REINA DE LAS ESPAÑAS.」です。「スペイン女王」という意味になります。

ミントマークは星の形で表現

最後に、ミントマークを確認しましょう。

19世紀半ばから20世紀にかけてのスペインでは、どの造幣所でコインを作ったかという印(=ミントマーク)は、星の形で表現していました。

今回の100レアル金貨の場合、下の赤枠部分のとおり、6つの頂点があります。6つあるのは、マドリードです。

すなわち、この金貨はマドリードで製造されました。

ミントマークを確認

頂点の数と造幣所の対応関係は、以下の通りです。

  • 3個:セゴビア
  • 4個:ジュビア
  • 6個:マドリード
  • 7個:セビリア
  • 8個:バルセロナ

この記事でご案内しています100レアル金貨は、マドリード、セビリア、バルセロナで製造されました。すなわち、この金貨は全部で3種類あります。星の頂点の違いだけですから、とても細かい違いです。

10エスクード金貨は、マドリードとセビリアで製造されました。

なお、10エスクード金貨と全く同じデザインの100レアル金貨もあります。1863年から1864年にかけて、マドリードとセルビアで製造されました。

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