メキシコ8エスクード金貨【リバティーキャップ】

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19世紀メキシコの代表的なデザイン

法書とリバティーキャップ(メキシコ 8エスクード金貨)

下のコインに描かれているのは、

  • 表:サボテンの上で蛇を噛む鷲
  • 裏:リバティーキャップ(フリージア帽)と憲法書

デザインのバリエーションは複数ありますが、19世紀メキシコの金貨を代表するデザインです。

そこで、この金貨のデザインを見ていきましょう。

メキシコ 8エスクード金貨 法書とリバティーキャップ

【コインNo】 8501
【製造元】メキシコ
【額面】8エスクード
【製造年】1848年
【直径】37mm
【素材】金
【グレード】F
【カタログ】Fr72/KM383.7
【価格】158,000円(税込)

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【コインNo】 8502
【製造元】メキシコ
【額面】8エスクード
【製造年】1847年
【直径】37mm
【素材】金
【グレード】F
【カタログ】Fr71/KM383.6
【価格】158,000円(税込)

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金貨のデザイン

表のデザイン

表のデザインは、当時のメキシコの国章です。この絵柄は、アステカ時代の伝説を元にしています。

メキシコ 8エスクード金貨デザイン【表面】

ある時、アステカ王は、神託を受けました。「サボテンの上で蛇を食べている鷲がいる場所に、都を造りなさい」という趣旨です。

そこで、メキシコ一帯を探して回ったところ、現在のメキシコシティの位置で、ちょうどその光景を目にしました。そこはテスココ湖に浮かぶ島で、名前をテノチティトランと言います。

現在のメキシコシティの様子をgoogle mapで見ますと、湖はありません。ちょっとした池があるだけです。すなわち、ほとんど埋め立てられたということになります。

コインの周囲の文字は、「REPUBLICA MEXICANA」(メキシコ共和国)です。

裏のデザイン

裏のデザインは、一見すると良く分からない感じです。描いてあるのは、憲法書、腕、棒、そして帽子です。帽子と言われればそうかな、という感じですが、綿菓子のように見えます。

メキシコ 8エスクード金貨デザイン【表面】
憲法書

憲法書とは、文字通り憲法を記した書物です。

植民地時代のメキシコでは、メキシコの利益になるように統治されたか?と考えると、そうではないと予想できます。

植民地ですから、宗主国であるスペインにとって良いように統治された、と考えるのが、自然です。

この憲法書は、メキシコの人々のために作られた憲法によって、法に基づく統治がなされることを誓ったものです。

フリージア帽(リバティーキャップ)
リバティーキャップ

フリージア帽とは、柔らかい生地で作った帽子です。頂点部分が前に垂れているのが特徴です。

フリージア(Phrygia)とは、紀元前6世紀ごろまで、現在のトルコ地域で栄えた国です。その地域で使われていた帽子です。それがなぜメキシコの国章になるか?ですが、以下の変遷を経ています。

  • フリージア帽が、古代ギリシャを経由して古代ローマ帝国で使用された。
  • 当時、ピレウス帽も古代ローマ帝国で使用された。
  • 平民や自由民となった奴隷は、ピレウス帽をかぶることがあった。
  • よって、束縛から自由になる象徴として、フランス革命で使用された。
  • その際、ピレウス帽とフリージア帽が混同されて、フリージア帽が採用された。
  • メキシコの独立に際して、フランス革命の影響を受けてフリージア帽が採用された。

以上の経緯から、フリージア帽は、リバティーキャップ(自由の帽子)とも呼ばれます。

ピレウス帽は、古代ローマ帝国時代に、平民や自由を得た奴隷が被っていた帽子です。フェルト生地のような柔らかい素材で作られていました。すなわち、フリージア帽とピレウス帽は似ていることが分かります。

下図左は、ピレウス帽をかぶった人の彫刻です。紀元前1世紀の制作です。

一方、右は、1世紀ごろに作られたと思われる大理石の彫刻です。頭にかぶっているのが、フリージア帽です。

ピレウス帽をかぶった人の彫刻

当時の人々から見れば、フリージア帽とピレウス帽は全く異なる種類だったでしょう。

しかし、後世の人々から見れば、素材は似ているし雰囲気も似ているので、混同してもおかしくないように思います。

フリージア帽に刺した棒(liberty poll) 

次に、フリージア帽に刺した棒について、見ていきましょう。なぜ、わざわざ棒に刺しているのか?です。

この棒は、「liberty poll(リバティーポール・自由の棒)」と呼ばれています。コインの絵だと小さな棒に見えますが、実際には大きなものです。棒というよりは木です。

下は、18世紀ドイツのものですが、フリージア帽を刺したリバティーポールを中心として、大勢が集まって踊っています。このような使われ方をしました。

リバティーポール・自由の棒

(引用:wikipedia

コインの周囲に書かれた文字

では、コインの周囲に書かれた文字を見ていきましょう。

LA LIBERTAD EN LA LEY 8E Go 1848 PM 20Qs

LA LIBERTAD EN LA LEY:自由と法
8E:8エスクード
Go:Guanajuato(グアナフアト)

グアナフアトは、造幣局があった地名です。メキシコシティの北西にあります。

メキシコ・グアナフアト地図

1848:製造年(1848年)を示します。
PM:検査官(assayer)の名前(Patrick Murphy)。

検査官とは、コインの品質を検査する人です。

なぜ、検査官の名前が刻印されているのでしょうか。その理由につきましては、別記事「ペルーのアンティークコイン【金貨・銀貨】の読み方」でご確認ください。

ペルーもメキシコも、スペインの植民地でした。よって、同じような状況です。

21Qs:金の純度を示します。
24で100%を示します。すなわち、21は87.5%です。

コインの価格

最後に、コインの価格を確認しましょう。この記事では2枚紹介していますが、いずれも激安です。1枚のコインについて、価格を考察しましょう。

  • 管理番号:8501
  • 重量:26.87g
  • 品位:0.875

すなわち、金の重さは、26.87g×0.875=23.51125gです。この記事を執筆した時点の金相場を確認しますと、1g=6,634円です(田中貴金属工業)。

すなわち、金の価値は155,973円ということになります。
ところが、販売価格は158,000円です。わずか2,000円しか差がありません。

では、このアンティークコインの歴史的価値は、わずか2,000円なのか?です。その理解は正確ではありません。

安価な理由

なぜ、この価格で販売しているのでしょうか。(株)ダルマに確認しました。

  • 今よりも金相場が安い時に仕入れたコインである
  • 現在の金相場で考えれば、売値はもっと高くなる
  • しかし、多くの人にコインを手にしてほしいので、仕入れ時の金相場を基準にして価格を設定した。

すなわち、この売値は、明らかに安すぎるということです。

アンティークコインの金貨需要が高まっている昨今、150年以上前の金貨の歴史的価値が2,000円しかないというのは、おかしいです。この価格の理由は、以上の通りです。

(ちなみに、会員価格で買いますと、さらに安い値段で買えます。)

なお、金相場の推移は、下のグラフの通りです(田中貴金属工業から引用)。2000年を底にして、上昇し続けていることが分かります。

金価格の推移

アンティークコインの売買で資産を築きたいという場合、こういった「お宝」のコインを買うというのも、選択肢の一つになるでしょう。

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