【イギリス・アン女王】マルプラケの戦い戦勝記念銀メダル

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アン女王の戦勝記念銀メダル(1709年)

イギリスでアン女王が王位の座にあった頃、フランスはルイ14世が治めていました。

ルイ14世は領土拡大の野心が強く、度々戦争が起きました(それがフランスの財政難を招き、1789年のフランス革命につながります)。

今回の記念メダルは、いくつかの戦争の一つである「スペイン継承戦争」での戦い「マルプラケの戦い」で、同盟軍(イギリス・ネーデルラント・神聖ローマ帝国)が勝利したことを記念したものです。

イギリス マルプラケの戦い戦勝記念銀メダル【トーン・極美品+】

【コインNo】 8244
【額面】銀メダル
【製造年】1709年
【材質】銀
【直径】48mm
【グレード】Toned EF+
【カタログ】Eimer438
【価格】264,000円(税込)

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マルプラケの場所は、下の地図の通りです。現在のフランス領、ベルギーと接している地域です。

マルプラケの地図

イギリス側が勝利したとはいえ、イギリスを含む同盟側の戦死者は24,000人、一方のフランスは12,000人でした。

フランスは撤退したものの、国内の士気は高く維持された模様です。一方、イギリスでは損害の大きさを受けて、政治が不安定化しました。

コインのデザイン

では、コインのデザインを確認しましょう。表は、アン女王の肖像です。王冠をかぶり、豪華な衣服です。

マルプラケの戦い戦勝記念銀メダルのデザイン【表面】

上の画像で1と2で囲った部分は、イギリスの最高勲章であるガーター勲章を示しています。

下の画像は、イギリス王室の公式サイトから引用したものです。エリザベス2世が佩用(はいよう)しているのが、ガーター勲章です。

(「佩用」とは「勲章などを身に着けること」という意味です。)

ガーター勲章

アン女王の周囲の文字は、「ANNA D:G MAG:BRI:FR:ET HIB:REG:」です。

英語表記で「Anne, by the Grace of God, Queen of Great Britain, France and Ireland」となります。意味は「神の御加護により、グレートブリテン、フランス及びアイルランド王となったアン女王」という意味です。

この文を読むと、フランスという文字が入っているのが気になるかもしれません。アン女王は、いつフランス王になったのでしょうか。

フランス王位継承権を主張

これを理解するには、当時の紋章を見ると分かりやすいかもしれません。下は、アン女王当時の紋章です。

アン女王時代ののイギリスの紋章

(引用:Wikipedia

そして、下は、フランスのブルボン朝の紋章です。

イギリスの紋章にある盾の右上と、ブルボン朝の盾の左側が同じデザインになっていることが分かります。

ブルボン朝時代のフランスの紋章

(引用:Wikipedia

このデザインは、フルール・ド・リスと呼ばれます。訳すと「ユリの花」です。ユリは、特にフランスと縁が深いとされています。

イギリス王家は、フランス王家と血がつながっています。そこで、イギリス国王は、フランス王位の継承権を主張していました。これが、メダルの文字にも反映されています。

ちなみに、19世紀、イギリスはフランス王位継承権を主張しなくなりました。現在のイギリスの紋章には、フルール・ド・リスはありません。

下は、現在のイギリスの国章です。

現在のイギリス紋章

(引用:Wikipedia

コイン裏側のデザイン

次に、裏側のデザインを確認しましょう。マルプラケの戦いの様子を描いています。

デザインを見ますと、空に天使が舞っています。両手に持っているのは、月桂樹で作ったリースです。勝利を祝っている様子です。

下側には、森があり、その中に軍隊がいます。無数の歩兵が整然と並んでおり、馬も多数いることが分かります。

左端では、大砲が火を噴いて煙が出ている様子が分かります。

マルプラケの戦い戦勝記念銀メダルのデザイン【裏面】

さて、ここに描かれているのは、イギリスの軍隊でしょうか。それとも、フランスの軍隊でしょうか。

一見したところ分かりづらいですが、ここに描かれているのはフランスの軍隊です。左端の大砲は、軍隊に向けられています。この部分はイギリスの軍隊でしょう。

天使の周りに書かれている文字は、「CONCORDIA ET VIRTVTE」です。英語で「By concord and virtue」です。意味は「協調と武勇」となります。

また、絵の下に文字が書かれています。

「GALLIS AD TAISNIERE DEVICTIS AVG:XXXI MDCCIX」です。英語で「the French vanquished at Taisniere, Aug. 31, 1709」です。

意味は「1709年8月31日、フランス軍はマルプラケで敗れ去った。」となります。

ちなみに、マルプラケの戦いは、1709年9月11日です。ところが、メダルの日付は8月31日です。

この差は、暦の違いです。当時のイギリスは、ユリウス暦を使っていました。現在はグレゴリオ暦です。ユリウス暦の1709年8月31日は、グレゴリオ暦の1709年9月11日です。

イギリスがグレゴリオ暦を採用したのは、1752年のことです。よって、それ以前のコインに日付が書いてある場合、現在の暦と少し異なりますので、注意が必要です。

コイン1枚から、色々なことが分かる

今回のコインは、マルプラケの戦いの戦勝記念メダルです。しかし、そのデザインをよく見てみると、その時代が見えてきます。

今回の記事でいえば、ガーター勲章、イギリス王のフランス王位継承権主張、紋章、ユリウス暦などです。

コイン1枚から、いろいろなことが分かるのも、アンティークコインの魅力の一つです。

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