スイス20フラン金貨【ブレネリ】

製品案内【その他(スイス)】
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ブレネリ

スイスの金貨には射撃祭など様々な種類がありますが、ある程度歴史があって高いグレードのコインも比較的入手しやすいという点を考慮しますと、「ブレネリ」をコレクションするのも面白そうです。

スイスの金貨「ブレネリ」

スイス 20フラン金貨 ブレネリ【未使用品】

ブレネリとは、スイスで主に若い女性を指すニックネームとして使用されます。上のコインをご覧いただきますと、アルプス山脈を背景にして若い女性が左側を向いている様子が分かります。

日本で「スイス・若い女性・ブレネリ」から連想できるのは、下の動画にある「おおブレネリ」や、アルプスの少女ハイジ辺りでしょう。

~おぉブレネリ~ NHK東京児童合唱団

しかし、金貨の画像をよく見ると、少女と呼ぶには少し大人びているのでは?と感じるかもしれません。実は、原案はこれと異なる絵でした。

女性の原案

この金貨のデザインは1897年に採用されていますが、それに先立ち、1895年にデザインを公募しました。その結果、Fritz Ulysse Landry(フリッツ・ユリス・ランドリー)氏が2位に入賞しました(1位は該当なし)。

その際のデザインは、下の左側です。

ブレネリのデザインの原案

(引用:Swissmint.ch

右側の修正後デザインと比べて、左側はより若い顔立ちで勢いがあり、前髪が風でなびいている様子が分かります。自由度は左の女性の方が高い印象です(実際、ランドリー氏は自由思想をこのデザインで表現しています)。

しかし、この自由さは100年以上前の視点で考えますと「前衛的すぎる」ということになります。具体的には、若すぎ・個性的すぎ・熱狂的すぎると判定されたため、ランドリー氏は女性の年齢を少し上げて落ち着いた雰囲気にした右側の修正案を提示しました。

ここからさらに修正が加えられて作られたのが、現在に伝えられている金貨です。

金貨のサイズ

次に、金貨のサイズを確認しましょう。ブレネリの20フラン金貨は6.45gで純度90%、直径は21mmとなっています。これは、ナポレオンが1803年に発行した20フラン金貨と同じ規格です。

19世紀当時、ヨーロッパ大陸の金融世界はフランスが最大・最強でした。このため、周辺諸国は特にフランスに断りを入れることなくフランスの通貨基準をそのまま流用していました。

その後、各国間の調整の結果、通貨の基準は1866年に法制化されています(ラテン同盟)。これを受けて、ブレネリも通貨同盟の基準(=ナポレオン金貨と同じ基準)で製造されました。

(ラテン同盟の経緯等につきましては、別記事「ナポレオン3世の金貨~ナポレオン金貨が大量に発行された理由 」に詳しいのでそちらご確認ください。)

ちなみに、この規格で初めて20フラン金貨が発行されたのは1883年ですが、当時のデザインは自由の女神でした。

スイス 20フラン金貨 女神頭像 ミルドエッジ

その後、「もっと新しいデザインの金貨を発行したい」という機運が高まり、1897年にブレネリが製造されたというのが経緯になります。

また、この記事では20フラン金貨についてご案内していますが、同じデザインで10フランと100フランも発行されています。

この3種類を比較しますと、最も発行量が多いのは20フランですので、比較的お手頃な価格でグレードが高い金貨を買いやすいです。反対に、最も発行枚数が少ないのは100フラン金貨であり、高値で取引されています。

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