
投資用資金が1000万円、またはそれ以上ある場合、どのような資産運用が効果的でしょうか。
当サイトはアンティークコインを主に扱っていますが、金融商品全般を含めて広い視点で考察しましょう。
1000万円の資産運用の基本方針
ここに、投資用資金が1000万円あるとします。あるいは、もっとたくさんあって、そのうちの1000万円を使って資産運用したいと考えています。
基本方針を先に考えましょう。
投資資金が小さい場合、収入を補うために稼ぎたい、あるいは、年金の信頼度が高くないから年金用に資産を作りたい、といった目的があるでしょう。
この場合、積極的にリスクを取って資産の成長を目指します。リスクを取るので、損する可能性も高めになります。
しかし、1000万円などのまとまった資金が、既にあります。この場合、投資の基本方針は違うものになります。
投資の基本方針:資産を減らさないこと
もちろん、資産は増える方が良いです。しかし、それよりも、資産を守る方が重要です。
既に一定の額があるので、無理してリスクを取る必要性は高くありません。守備を固めたうえで、自分の資産を徐々に増やしていくという姿勢が大切になります。
すると、おのずと資産運用の方法が見えてきます。すなわち、分散投資です。
また、アクティブに売買を繰り返すという方法もありますが、それで成功できるのは、ごく一部のトレーダーなどです。そこで、ここでは、「買って持つ」という方法を採用するとします。
アクティブな取引は損しやすいという実例
相場の上下動を狙って積極的にトレードしても、大半の人は成功できません。それを示す例をご案内しましょう。
2015年5月分から公開されている『毎月の顧客の損失額』を元に『損失の累積額』をグラフ化してみました(データ元:金融先物取引業協会)。

見事なまでに、損失が膨らんでいます。2015年5月から2020年4月までの間に、1.4兆円くらいの損失が発生しました。
もちろん、全員が損失を計上しているわけではありません。上手にトレードして、大きな資産を築いた人もいるでしょう。
とはいえ、上のグラフを見てしまうと、積極的に売買して資産を増やすのがいかに難しいか、良く分かります。
私たちは、相場に没頭するわけにはいきません。仕事や自分の生活がありますから、資産運用は「ついで」という感じで、気づいたら資産が増えていたというのが望ましいです。
そう考えると、1000万円の元手で積極的にトレードを繰り返すのは、選択肢にしづらいです。
資産運用先を比較検討
では、どのような運用先が現実的でしょうか。列挙して考察してみましょう。
- 預貯金
- 株式
- 投資信託
- 債券
- 金(きん)などの貴金属
- 外貨預金
- FX
- アンティークコイン など
1000万円の場合、すべての投資先にお金を出すのは可能ですが、管理が大変になります。そこで、この中から、いくつかを選ぶことになります。
預貯金は外せない
1000万円とは別に資金があるという場合、既に預貯金を持っているでしょう。この場合、資産運用の選択肢から預貯金を外せます。
自己資金全体で1000万円という場合は、いくらかを預貯金にする必要があります。
この点で異論はないでしょう。
株式は、最も基本的な投資先
そして、最も基本的な投資先は、やはり株式でしょう。情報の得やすさ、取引の容易さなど、他の投資先に比べて有利な環境にあります。
問題点があるとすれば、業績が良い会社の株を持っているとしても、日本経済や世界経済全体か落ち込むと、その会社の株価も引っ張られて下落しがちな点です。
この点に注意が必要です。
FX、投資信託、債券など
これらも、中長期の投資が可能です。株式と同時に採用することによって、分散効果を期待できます。
ただし、ここでも注意が必要です。「リーマンショック級の落ち込みがあると、すべての金融商品の価格が下落してしまう」というリスクです。
リーマンショックが資産運用に与えた教訓は、いくつもあるでしょう。そのうちの一つに、「本当に大きなショックがある場合、分散投資は効果がない」ことを証明した点があります。
株価はどれも下落、投資信託の基準価額も下落、債券価格も下落、為替レートは円高、これらが同時に発生しました。
大半の金融商品の価格が下落すると、分散投資は効果がなく、損失を積み上げてしまいます。
もちろん、この中でも上昇に転じる投資先は稀にあったわけですが、事前にそれらを見つけるのは大変なことです。
一般的には、プロでも困難でしょう。
アンティークコインは例外だった
そんな中、例外的に価格が下落しなかった投資対象があります。それは、アンティークコインです。
イギリスに、スターンリー・ギボンズという会社があります。
同社が、貴重なアンティークコインの価格を使って、インデックス(Stanley Gibbons Rare Coin Index)を作りました。ここでは、そのうちの一つであるGB200で考察します。
アンティークコインにおける、日経225のような存在です。
その価格推移(青線)をグラフにしました。比較対象があると分かりやすいので、日経平均(オレンジ)を加えました。

左側の縦軸は、GB200の推移です。2002年を100とした数字です。右側の縦軸は、日経平均株価です。
青線、すなわちGB200は、右肩上がりになっています。一方、日経平均は、どちらかと言えば横ばいです。
これをもって、アンティークコインの方が良いと言いたいわけではありません。2002年から2006年までを見ますと、日経平均の上昇率の方が大きいです。
ここで注目したいのは、2008年のリーマンショックを中心とした時期です。下のグラフで、赤枠で囲った部分です。

日経平均だけでなく、大半の投資対象の価格が下落して分散投資は無効だったと言われた時期です。そのような時期でも、GB200は下落していません。
むしろ、上昇しています。
すなわち、アンティークコインは、株式などの価格と連動していないことが分かります。
連動していないという事実は、分散投資において極めて重要な役割を果たします。
分散投資で必要なこと
ここで、分散投資について、簡潔におさらいしましょう。
分散投資に必要なものは、何でしょうか。複数の投資対象に投資することでしょうか。おそらく、それでは不十分です。
2つの投資先で資産運用しても、両方の価格が同時に下落してしまえば、1つの投資対象にまとめて投資した場合と同じです。すなわち、損です。
分散投資に必要なのは、「ある投資対象と別の投資対象の間に、価格推移の連動性がないこと」です。
価格の連動性がなければ、一方で損しても、他方は生き残ったり、利益を生み出してくれたりする可能性があります。
「リーマンショック級の惨事でも分散投資が有効に機能する」という条件を付けると、分散投資は難しくなります。しかし、アンティークコインを加えることによって、分散効果を得られると期待できます。
もちろん、アンティークコインはこれからも分散効果を発揮しつづける、という保証はありません(将来の話ですので)。
しかし、過去の事実が、アンティークコインの有望さを雄弁に物語ります。1000万円の資産運用ですから、安全度を高めたいです。
購入候補になるアンティークコイン
では、どのようなアンティークコインが購入候補になるでしょうか。結論から書いてしまえば、「貴重で人気があるコイン」です。
例えば、アンティークコインとしては価値が乏しい金貨があるとします。価値が乏しいと言っても金貨ですから、金の価値があります。すなわち、その金貨の価格は、金相場に連動します。
金相場に連動するようでは、分散効果を期待できません。
上のグラフで確認しましたコイン・インデックスは、極めて貴重なアンティークコインで作られた指数です。そのような金貨・銀貨は、他の相場の影響を受けづらいです。少なくとも、過去はそうでした。
よって、貴重で人気があるコインから選ぶことになります。下は、例です。
オランダ ホラント王国 ルイ・ナポレオン 2・1/2グルデン銀貨【トーン・未使用品】
【コインNo】 7372
【製造元】オランダ
【額面】2・1/2グルデン
【製造年】1808年
【直径】38mm
【重量】26.35g
【素材】銀
【グレード】toned UNC
【NGC】2732390-006
【カタログ】DAV299/KM32


オランダ ウィルヘルム3世 20グルデン金貨【未使用品】
【コインNo】8312
【製造元】オランダ
【額面】20グルデン
【製造年】1850年
【材質】金
【直径】26mm
【グレード】PF UNC
【カタログ】Fr339/KM96/Schulman542

上の2枚は、いずれも貴重です。もっと貴重なコインもありますから、そのようなコインをご希望の方は、(株)ダルマに相談してみると良いでしょう。
アンティークコイン投資に必要な情報
最終的に、アンティークコインを買わないという選択をしても、問題ありません。しかし、情報を知っておくことは必要です。
情報を知らなければ、アンティークコインが投資対象になるのかどうかさえ分かりません。本当は有望かもしれないのに、自ら捨てることになるかもしれません。
当サイトでは、アンティークコイン投資に関する情報カテゴリを設けています。すべての記事をご覧いただき、アンティークコインの情報を持っていただきたいと思います。
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