マケドニア王国の銀貨-アレクサンダー大王を中心に

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マケドニアの誕生から滅亡まで

マケドニア王国の銀貨

紀元前の世界で最も著名な人物の一人に、アレクサンダー大王がいます。そこで、彼が治めたマケドニアについて、誕生から滅亡までをアンティークコインを使って確認しましょう。

マケドニアは、紀元前9世紀末に成立しています。舞台となるのは、下の地図の範囲です。

マケドニア地図(現代地図版)

アレクサンダー大王の時に巨大な国となったマケドニアですが、誕生した紀元前9世紀末頃は、ギリシャの一地方の国でした。上の地図で、北西部分にギリシャがあります。

下の地図は、現在のギリシャを中心とした部分です。赤丸を書いていますが、このあたりにマケドニアがありました。当時は、数ある国家の一つに過ぎなかったことが分かります。

現在のギリシャ地図

このころには、まだ世界のどこにもコインはありませんでした。よって、マケドニアのコインもありません。

世界最初のコインが作られたと言われているのは、紀元前7世紀のリディア(現在のトルコにあった国)です。マケドニアでコインが作られるようになったのは、それから100年ほど経過してからでした。

紀元前5世紀のマケドニア

紀元前5世紀のころには、リディアのコイン製造技術はギリシャ世界に広まっています。マケドニアも、このころには既に銀貨を製造していました。

紀元前430年頃のマケドニアの地図は、以下の通りです。

マケドニアの地図(紀元前430年頃)

この時期に製造されたコインを、2枚紹介しましょう。コインの詳細につきましては、コインの個別記事「テトラドラクマ銀貨【古代ギリシャ】」でご確認ください。

牛を捕食するライオン

【コインNo】 2703
【額面】テトラドラクマ銀貨
【製造年】紀元前424年~紀元前380年
【直径】24mm
【材質】銀
【グレード】VF
【価格】1,078,000円(税込)

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デュオニソス(バッカス)~お酒の神様

【コインNo】 3994
【額面】テトラドラクマ銀貨
【製造年】紀元前460年~紀元前423年
【材質】銀
【直径】24mm
【グレード】VF
【価格】1,210,000円(税込)

デュオニソス(バッカス)~お酒の神様 テトラドラクマ銀貨 このコインを購入する

テトラドラクマ銀貨

なお、上のコインは、両方とも「テトラドラクマ銀貨」です。

ドラクマとは、通貨単位です。EU加盟前のギリシャでは、通貨単位はドラクマでした。マケドニア王国のドラクマとEU加盟前のドラクマは、時代が大幅に異なります。よって、内容も異なりますが、いずれも通貨単位として使われていました。

そして、テトラは「4」という意味です。よって、テトラドラクマとは、「4ドラクマ」の価値があったということになります。

なお、この時代、数多くの国が独自にドラクマ銀貨を発行していました。

条約等を結んで作ったのではなく、各国が独自に自由に作りました。すなわち、同じ通貨単位「ドラクマ」であっても、銀の含有量は国ごとに異なりました。

よって、貿易の際には一定の混乱があったのでは?と予想できます。

アレクサンダー大王の登場

下の地図は、アレクサンダー大王の父であるピリッポス2世が、ギリシャ・テーベ連合軍を破った後(紀元前334年頃)のマケドニア領土を示しています。

上の地図に比べて、領土が2倍以上に広がっている様子が分かります。

マケドニアの地図(紀元前334年頃)

そして、アレクサンダー大王の東征が始まりました。その結果、領土はわずか10年ほどで下の地図ほどになりました。

マケドニアの地図(アレクサンダー大王の東征後)

上の地図で、マケドニアの元の領土は北西のごくわずかな地域です。それが、わずか10年ほどでこれだけ広い領土になったのは、驚きです。

しかし、紀元前323年、アレクサンダー大王は32歳の若さで急死しました。死因は、病死や毒殺など諸説あって不明です。

アレクサンダー大王の死後

一気に大きな国になり、そして、その中心人物が、後継者の準備もないまま亡くなるとどうなるでしょうか。答えは、いつの時代も同じなのでは?と思います。

後継者を巡る争いの勃発です。

ディアドコイ(後継者)の争いと呼ばれる闘争の結果、国家は分裂しました。マケドニアは、アンティゴノス将軍が支配権を握りました。よって、アンティゴノス朝マケドニアと呼びます。

紀元前301年頃の支配地域は、下図の通りです。

マケドニアの地図(アレクサンダー大王の東征後)

上の地図では、マケドニアは、わずかな地域に見えます。しかし、一時期はディアドコイの間で最も優勢だった時期もありました。

この当時は各勢力の盛衰が激しく、1つの世界地図で表現するのは難しいです。いずれにしましても、マケドニアは、アレクサンダー大王の死後に分裂したことが分かります。

ここで、マケドニアの隣国であるトラキアで発行されたコインを確認しましょう。

アレクサンダー大王

【コインNo】 6895
【額面】テトラドラクマ銀貨
【製造年】紀元前306年~紀元前281年
【材質】銀
【直径】21mm
【グレード】F+
【価格】74,800円(税込)

アレクサンダー大王 テトラドラクマ銀貨 このコインを購入する

右を向いている顔は、アレクサンダー大王です。トラキアを治めた国王は、自分の肖像でなくアレクサンダー大王を採用しています。

死後もなお、アレクサンダー大王の名前が世の中に広く浸透していたことを示しています。

アンティゴノス朝マケドニアの滅亡

アレクサンダー大王の死後のマケドニアは、戦争を繰り返して国力を落としました。結果、徐々にローマの圧迫を受け、紀元前168年にローマに滅ぼされました。

その後、ローマは地中海全体を支配する大帝国へと発展することになります。

アンティゴノス朝が滅亡するまでの10年間に発行されたコインを確認しましょう。

ペルセウス王

【コインNo】 6613
【額面】テトラドラクマ銀貨
【製造年】紀元前179年~紀元前168年
【材質】銀
【直径】30mm
【グレード】-VF
【価格】187,000円(税込)

ペルセウス王 テトラドラクマ銀貨 このコインを購入する

【コインNo】 7739
【額面】テトラドラクマ銀貨
【製造年】紀元前179年~紀元前168年
【材質】銀
【直径】33mm
【グレード】EF+
【価格】341,000円(税込)

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