イギリスのアンティークコイン-王室コインの特徴

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イギリス王室のコインの「顔の向き」

イギリスのアンティークコイン

イギリス王室のコインの特徴の一つに、「顔の向き」があります。代々、左向きと右向きが順に入れ替わります。一部を除き、右向きが続くことも、左向きが続くこともありませんでした。

この理由は、不明です。王室がそのようにしてきたから、ということになるでしょう。コインの写真を見ながら、この様子を確認しましょう。

エリザベス2世(1952-):右向き

現在のイギリス女王です。1917年にハノーヴァー朝からウィンザー朝に改称されて以来、4代目の君主となります。

1952年に父であるジョージ6世が亡くなって即位していますから、在位67年で歴代君主の最長記録を更新中です(2019年現在)。

エリザベス2世の肖像をコインにする国は、オーストラリア、カナダ、香港、アフリカ、ジャマイカなど英国以外に23ヶ国もあります。

【コインNo】 8170
【製造元】イギリス
【額面】5ポンド
【製造年】1985年
【材質】金
【直径】36mm
【グレード】PF FDC
【PCGS】4435015-002

売り切れ

ジョージ6世(1936-1952):左向き

兄であるエドワード8世が突然退位し、王位に就きました。

世の中は不景気、イギリス王室はスキャンダルで国王が退位という状況でしたが、ジョージ6世の人柄が良く、国民の信頼が回復しました。

1ソボレン金貨【プルーフ・未使用品+】

【コインNo】 7646
【製造元】イギリス
【額面】1ソボレン
【製造年】1937年
【材質】金
【直径】22mm
【グレード】PF UNC+
【PCGS】35496353
【価格】495,000円(税込)

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エドワード8世(1936):左向き

在位期間が1年未満で極端に短く、当時、公式のコインは発行されませんでした。プルーフが4セットのみ制作されました。

なお、このプルーフはなぜか左向きで作られてしまったのですが、一般に流通させるコインは、右向きになるはずでした。

以下のコインの材質は、真鍮(しんちゅう:銅と亜鉛との合金)です。

エドワード8世は、英国王の座を捨てた事で有名です。このことを、歌手で女優のマドンナが監督を務めた映画「英国王冠を賭けた恋」として語り継がれています。

父は、下のジョージ5世です。上で紹介したジョージ6世は、弟にあたります。

ジョージ5世(1910-1936):左向き

第一次世界大戦当時の国王です。エドワード7世の長男の死によって、王位継承者となったのが次男のジョージ5世です。

当時の王室名はハノーヴァー朝でしたが、これはドイツから国王がやってきたことにちなんだ名前です。敵国ドイツの名前では良くないという理由で、ウィンザー朝という名前に改められました。

ジョージ5世 クラウン銀貨【発行枚数932枚】

【コインNo】 7875
【額面】クラウン
【製造年】1934年
【材質】銀
【直径】38mm
【グレード】VF
【価格】385,000円(税込)

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1/2ソボレン金貨【未使用品】

【コインNo】 8101
【額面】1/2ソボレン
【製造年】1915年
【材質】金
【直径】19mm
【グレード】UNC
【価格】37,400円(税込)

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エドワード7世(1901-1910):右向き

エドワード7世は、母であるヴィクトリア女王の夫がドイツのザクセン・コーブルグ・ゴータ家の出身ですから、その血筋を引き継いでいます。

ヴィクトリア女王の治世が長かったため、即位したのは60歳で、在位期間はわずか10年でした。彼の治世である1902年に、日英同盟が締結されました。

1ペニー銅貨【未使用品】

【コインNo】 8077
【額面】1ペニー
【製造年】1910年
【材質】銅
【直径】31mm
【グレード】UNC
【価格】17,600円(税込)

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ヴィクトリア(1837-1901):左向き

「世界の工場」としてイギリスが世界の中心にあった時の女王です。ヴィクトリア時代は世界的に比較的平和だったことから、この時代を「パクス・ブリタニカ(イギリスの平和)」と呼ぶことがあります。

ヴィクトリア女王の肖像が描かれたコインは、オーストラリア、カナダ、東アフリカ、香港など、イギリス本国以外でも使用されていました。

5ポンド金貨 ジュビリーヘッド【準未使用品】

【コインNo】 7962
【額面】5ポンド
【製造年】1887年
【材質】金
【直径】36mm
【グレード】AU
【PCGS】83203764

売り切れ

1ペニー・パターン銅貨 ヤングヘッド【完全未使用品】

【コインNo】6952
【額面】1ペニー・パターン
【製造年】1860年
【材質】銅
【直径】31mm
【グレード】PF FDC

売り切れ

ウィリアム4世(1830-1837):右向き

ウィリアム4世は、ジョージ3世の三男で、下に登場するジョージ4世の弟です。

兄のジョージ4世が亡くなった1830年から7年間英国王に在位しましたが、生誕が1765年ですから、英国王になったのが65歳ということになります。

ジョージ4世(1820-1830):左向き

ジョージ3世の亡き後、長男のジョージ4世が即位しました。

ウェブで検索すると、彼の良い評判を見つけることは、なかなか難しいでしょう。良く言えば、自由奔放に生きたということになります。王室に受け継がれる規律が合わなかったのかもしれません。

戴冠銅メダル(ベネディット・ピストリッチ作)

【コインNo】 7031
【額面】銅メダル
【製造年】1821年
【材質】銅
【直径】35mm
【グレード】UNC

売り切れ

ジョージ4世の曾祖父であるジョージ1世は、ドイツのハノーファーの血筋でイギリス王となった後も、ドイツの伯爵と神聖ローマ帝国の選帝侯の称号がありました。この時からイギリスのコインにハノーファーを表現するようになりました。

下のコインは、ドイツで発行されたジョージ4世のターレル銀貨です。

ドイツ ハノーファー ジョージ4世 1テーラー銀貨

【コインNo】6183
【製造国】ドイツ
【額面】1テーラー
【製造年】1830年
【材質】銀
【直径】36mm
【グレード】AU/UNC
【価格】580,000円(税込)

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ジョージ3世(1760-1820):右向き

ジョージ3世は、イギリス生まれのイギリス育ちで、ジョージ2世の孫です。

彼の在位中の1801年、グレートブリテン王国とアイルランドが合併して、グレートブリテン及びアイルランド王国が誕生しました。治世が長かったこともあり、数多くの戦乱を経験しました。

イギリスのコインに「セント・ジョージと龍退治」が描かれるようになったのは、彼が治世中の1817年からです。

1/2ギニー金貨【極美品+】

【コインNo】7794
【額面】1/2ギニー
【製造年】1804年
【材質】金
【直径】21mm
【グレード】EF+
【PCGS】34361196
【価格】132,000円(税込)

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クラウン銀貨【準未使用~未使用品】

【コインNo】7906
【額面】クラウン
【製造年】1818年
【材質】銀
【直径】38mm
【グレード】AU/UNC
【NGC】2011260-227/61
【価格】148,500円(税込)

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ミドルセックス 1ペニー銅貨 ジョージ3世&大砲とブリタニア座像【希少品】

【コインNo】 7222
【額面】1ペニー
【製造年】1797年
【材質】銅
【直径】36mm
【グレード】PF UNC+

売り切れ

ジョージ2世(1727-1760):左向き

ジョージ2世は外国生まれです。次のジョージ3世以降は、全員イギリス国内で生まれています。すなわち、ジョージ2世が、最後の「外国生まれのイギリス国王」ということになります。

2ギニー金貨 オールドヘッド

【コインNo】 7720
【額面】2ギニー
【製造年】1740年
【材質】金
【直径】31mm
【グレード】-EF

売り切れ

1ギニー金貨 オールドヘッド

【コインNo】 8114
【額面】1ギニー
【製造年】1760年
【材質】金
【直径】25mm
【グレード】VF
【価格】352,000円(税込)

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1/2クラウン銀貨 (NGC-MS62)

【コインNo】 8054
【額面】1/2クラウン
【製造年】1745年
【材質】銀
【直径】34mm
【グレード】-
【NGC】4535518-043/62/
【価格】286,000円(税込)

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ジョージ1世(1714-1727):右向き

アン女王が亡くなり、ステュアート家の血筋が途絶えたため、議会は再びイギリス王室の血を引く王を外国から迎えます。

ジョージ1世は、神聖ローマ帝国(ドイツ)のハノーファーで生まれで、ハノーヴァー朝の初代国王です。

現在のウィンザー朝はハノーヴァー朝から名前を変えただけであり、エリザベス女王の直接の血筋です。

アン(1702-1714):左向き

アンは、下に登場するジェームズ2世の娘であり、ウイリアム3世の後を引き継ぎ女王となりました。ウィリアム3世の妻であるメアリ2世は、姉です。

スコットランドとイングランドは同君連合でしたが、アン女王の時代に合併してグレートブリテン王国が成立しています。

子供が幼くして亡くなったため、ステュアート家の血筋をひく王は途絶えます。

シリング銀貨

【コインNo】 8104
【額面】シリング
【製造年】1711年
【材質】銀
【直径】25mm
【グレード】F+
【価格】16,500円(税込)

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ウィリアム3世(1688-1702):右向き

フランスに亡命したジェームズ2世の後にイギリス王に即位したのは、ジェームズ2世の甥っ子にあたるオランダの総督、ウィリアム3世と妻であるメアリ2世です。二人は、同時にイギリスの国王になりました。

両王は、議会から提示された「王よりも議会の方が優位」であること宣言した『権利の宣言』を受け入れました。この改革によって争い事が起きなかったことから名誉革命と呼ばれています。

1694年にメアリ2世がなくなると、単独の国王となりました。

【コインNo】 8169
【額面】6ペンス
【製造年】1696年
【材質】銀
【直径】21mm
【グレード】Tone UNC
【価格】55,000円(税込)

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ジェームズ2世(1685-1688):左向き

チャールズ2世の後、弟のジェームズ2世がイギリス国王に即位します。

ジェームズ2世の絶対主義的政策は当時のイギリスの議会制統治に適合せず、1688年に名誉革命が発生し、ジェームズ2世はフランスに亡命しました。そのため、僅か3年間の在位で終わります。

チャールズ2世(1660-1685):右向き

右向きのコインは1663年以降。1649年から1660年まで、イギリスは共和制でした。

父であるチャールズ1世が処刑された際、フランスに逃げました。その後、王政復古でイギリスに戻り、チャールズ2世となりました。ステュアート朝の復活です。

彼の王位継承問題では議会が完全に2つに割れてしまい、これが二大政党の起源になったと言われています。

チャールズ1世(1625-1649):左向き

父であるジェームズ1世の後を継ぎ国王となりましたが、「王の権力は絶対だ」と唱え、父と同じく独裁を行います。

この独裁に不満を持つ人達によって、チャールズ1世の治世である1648年に、ピューリタン革命が起き、イギリスは共和制になりました。すなわち、国王という制度が存在しない期間が続きました。王政が回復したのは1660年のことです。

ユナイト金貨

【コインNo】 7788
【額面】ユナイト
【製造年】-
【材質】金
【直径】34mm
【グレード】VF
【NGC】4909477-001

売り切れ

ジェームズ1世(1603-1625):右向き

エリザベス1世亡き後のイギリス国王です。エリザベス1世は、生涯独身を貫き通したため、彼女の代でテューダー朝が終わり、新しい王家「ステュアート朝」となります。

したがって、ジェームズ1世はステュアート朝の初代国王です。

ジェームズ1世のコインは、主に右向きです。これ以前になりますと、正面の顔もチラホラとみられます。

ハーフクラウン金貨

【コインNo】 8056
【額面】1/2クラウン
【製造年】Nodate
【材質】金
【直径】21mm
【グレード】VF

売り切れ

エリザベス1世(1558-1603):主に左向き

エリザベス1世は、ヘンリー8世の次女であり、下に登場するメアリ1世は異母姉です。

ばら戦争と呼ばれる内戦を経て、貴族階級は力を失って没落しました。その結果、エリザベス1世の時代にイギリス絶対主義は最盛期を迎えました。

この時代から、コインの製造方法がハンマーによる「打刻式」に加えて、機械を使った「プレス式」が加わり、縁にギザギザが付いたポンド金貨やクラウン銀貨が登場します。

1/2ポンド金貨

【コインNo】 7087
【額面】1/2ポンド
【製造年】1560年
【材質】金
【直径】31mm
【グレード】VF+

売り切れ

東インド会社の4テストン銀貨

イギリスの東インド会社が、貿易決済用に使った銀貨です。1600年と1601年に作られました。東インド会社は、イギリスによるアジア進出で重要な役割を担いました。

このコインの製造期間はわずかであり、存在自体が珍しい貴重な銀貨となります。

【コインNo】 8181
【額面】4テストン
【製造年】1600年
【材質】銀
【直径】35mm
【グレード】Tone VF
【価格】2,750,000円(税込)

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メアリ1世(1553-1558):正面向き

テューダー朝の女王。イギリスで最初の女王となったのがメアリ1世です。

後世に伝えられている「大悪改鋳」を行ったヘンリー8世を父に持ち、配偶者は、スペインを支配していたフェリペ2世です。

すなわち、夫婦でイギリスとスペインを統治したことになります。メアリ1世は、目的のためなら何でもするという性格だったようです。

メアリ1世のコインは正面を向いています。よって、イギリス王室コインの顔が左、右、左…となったのは、エリザベス1世からということになります。

それぞれの時代のアンティークコインを1枚ずつ保有するのも、コレクションの楽しみ方の一つでしょう。

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