古代ローマ帝国のアンティークコイン-製造から流出、滅亡まで

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古代ローマ帝国の成立

古代のヨーロッパ世界では、ローマ帝国が広大な領土を持っていました。そこで、古代ローマ帝国の誕生から滅亡までを、アンティークコインの切り口で概観しましょう。

イタリア人が現在のローマに定住したのは、紀元前12世紀ごろとみられています。その後、王制国家ローマが誕生したのは、紀元前7世紀ごろです。

その後、王様を追放して共和制になりました。

このころは、ローマにコインはありませんでした。青銅の地金がお金です。紀元前7世紀に世界最初のコインが作られましたが、その技術がローマに伝えられるには、時間が必要だったということです。

下図は、貨幣が作られるようになった年代を示したものです。

古代ローマ帝国(BC7世紀~BC3世紀)

現在のトルコにあったリディアで、世界最初のコインが作られました。その技術は、ほどなくして古代ギリシャ世界に伝わっています。

イタリア半島にコイン製造技術が伝えられたのは、遅くとも紀元前5世紀ごろです。しかし、都市国家ローマで本格的にコインが作られるようになったのは、紀元前3世紀に入ってからでした。

当時は、金貨や銀貨でなく、青銅貨が作られました。

銀貨の製造

金貨や銀貨がなかったローマですが、古代ギリシャ諸都市と貿易するようになりました。すると、ギリシャの美しいドラクマ銀貨と出会いました。

(古代ギリシャのアンティークコインにつきましては、別記事「古代ギリシャのアンティークコイン-各都市発行の銀貨中心に」でご確認ください。)

これに触発されてか、古代ローマは、紀元前2世紀ごろから銀貨の製造を開始しています。通貨単位は、以下の通りです。

  • デナリウス銀貨
  • アス青銅貨
  • セステルティウス青銅貨

それぞれの交換比率は、以下の通りです。

16アス青銅貨=1デナリウス銀貨
64セステルティウス青銅貨=1デナリウス銀貨

さて、銀貨を作り始めるのは良いのですが、材料となる銀をどこから調達しましょうか。この問題は、周辺諸国を征服することで解決しました。

具体的には、スペインを征服して、貴金属を大量に確保しました。

領土拡大に伴って、必要になるコインの量も増えていきます。しかし、領土が拡大する一方だった当時のローマ帝国にとって、材料不足の問題はなかったかもしれません。

ジュリアス・シーザー【デナリウス銀貨】

【コインNo】 7044
【額面】デナリウス銀貨
【製造年】紀元前44年
【材質】銀
【直径】22mm
【グレード】EF+
【価格】620,000円(税込)

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金貨の製造

金貨(アウレウス金貨)が制度として大量生産されるようになったのは、紀元前46年になります。銀貨に比べて100年ほども遅いです。

この理由を断定的に書くのは難しいですが、古代ギリシャ世界で中心的な役割を果たしたのは銀貨でした。これが少なからず影響しているでしょう。

また、地中海周辺諸国を征服する過程で、銀の蓄積が早く、金の蓄積には時間がかかったのかもしれません。

いずれにしましても、銀貨に遅れること100年ほどして金貨が制度化され、それにあわせて、通貨制度も変更されています。

25デナリウス銀貨=1アウレウス金貨
100セステルティウス青銅貨=1アウレウス金貨
400アス青銅貨=1アウレウス金貨

下の地図は、古代ローマ帝国の最大版図です。薄い黄色は、領土です。赤は、さらに領土を拡大しようと戦っていた地域です。とても広い領土でした。

古代ローマ帝国の最大版図

帝政ローマ 第2代皇帝ティベリウス【アウレウス金貨】

【コインNo】 7904
【額面】アウレウス金貨
【製造年】15年~18年
【材質】金
【直径】20mm
【グレード】VF
【価格】1,800,000円(税込)

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帝政ローマ セステルティウス青銅貨 カリグラ

【コインNo】 7462
【額面】セステルティウス青銅貨
【製造年】37年~38年
【材質】銅
【直径】35mm
【グレード】F
【価格】380,000円(税込)

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コインの流出と対抗策、そして滅亡へ

さて、こうして領土を広げていったローマ帝国でしたが、問題がありました。それは、自国内で先進的な技術を育てられなかったことです。

「必要ならば、征服すれば得られるからOK」という考えだったかどうか、それは今になっては分かりません。しかし、周辺諸国の方が技術的に先を進んでいました。

その結果、どうなったでしょうか。

貿易をする場合、古代ローマ帝国は周辺諸国から先進的な物品を買い続けることになります。支払う手段は、金貨や銀貨です。

領土を拡大するにも、さすがに限界があります。また、貿易で流出する金銀の量に比べて、自国内の金銀生産量は全く足りなかったようです。

その結果、ローマ帝国内の貴金属は極度の不足に陥りました。

こうして、時代が下れば下るほど、古代ローマ帝国が生産する金貨や銀貨は質が落ちていきました。高品質のコインを作りたくても、材料がなければ仕方ありません。

すると、経済が混乱し始めます。

「今の金貨1枚と、昔の金貨1枚では、同じ金貨でも金の重量が違うじゃないか」というわけです。これでは、「今の金貨3枚は昔の金貨2枚の価値しかないよ」という感じで商売することになるでしょう。

皇帝が変わるたびにコインが作られましたから、種類も膨大になります。それを一つ一つ検証して代金の決済をしようと思うと、大変なことです。

この経済的な混乱を解決しようと、コンスタンティヌス帝(在位:306年~337年)は通貨制度改革を実行しました。

しかし、経済の混乱は収まらず、インフレーションが進行していきました。

こうして、巨大だった古代ローマ帝国は、475年に滅亡することとなりました(古代ローマ帝国から分裂して成立した東ローマ帝国は、その後も1,000年ほど存続しました)。

通貨制度改革の詳細は、別記事「【古代ローマ帝国】貨幣制度の改革と金貨の品質・価値」でご確認ください。

古代ローマ帝国のアンティークコイン

古代ローマ帝国の概要を確認しました。ここで、古代ローマ帝国で実際に使われたコインを確認しましょう。歴史を知った上でコインを眺めると、コインに対する理解がぐっと深まります。

何といっても、「当時の人々が実際に手に取って使っていた」という事実が興味深いです。2,000年近くも前のコインです。

アウレウス金貨

帝政ローマ 第5代皇帝ネロ

【コインNo】 7844
【額面】アウレウス金貨
【製造年】55年~56年
【材質】金
【直径】19mm
【グレード】VF
【価格】730,000円(税込)

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【コインNo】 7999
【額面】アウレウス金貨
【製造年】65年~66年
【材質】金
【直径】17mm
【グレード】EF
【価格】1,500,000円(税込)

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帝政ローマ 五賢帝アントニヌス・ピウス

【コインNo】 7903
【額面】アウレウス金貨
【製造年】155年~156年
【材質】金
【直径】19mm
【グレード】-EF
【価格】1,680,000円(税込)

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帝政ローマ 五賢帝マルクス・アウレリウス

【コインNo】 7761
【額面】アウレウス金貨
【製造年】161年~180年
【材質】金
【直径】19mm
【グレード】EF

売り切れ

ソリドゥス金貨

ソリドゥス金貨は、コンスタンティヌス帝の通貨改革で誕生した金貨です。東ローマ帝国でも採用されました。

帝政ローマ コンスタンティヌス1世【極美品】

【コインNo】 7998
【額面】ソリドゥス金貨
【製造年】336年~337年
【材質】金
【直径】22mm
【グレード】EF
【価格】900,000円(税込)

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帝政ローマ ウァレンティニアヌス3世

【コインNo】 7643
【額面】ソリドゥス金貨
【製造年】425年~455年
【材質】金
【直径】21mm
【グレード】EF
【価格】390,000円(税込)

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