アンティークコインの特殊性と収集戦略

コレクションについて【カテゴリ】
翻訳

アンティークコインの興味深い特徴

お金があっても買えない

アンティークコインには、興味深い特徴がいくつもあるでしょう。

その特徴の一つに、「価格がついているけれども、お金を出せば買えるというわけではない」という点があります。と言いますのは、所有者が売りたいと言わない限り、永遠に買えないからです。

アンティークコインは、追加生産できません。よって、現在の所有者が売りたいと希望するまで、待ち続けることになります。

また、アンティークコインは、希少性と価格が比例しないという点も興味深いです。この記事では、価格と入手の容易さについて考察します。そして、それを受けた収集戦略を考えます。

高額でも購入チャンスがある

アンティークコインの世界で最も有名なコインの一つに、ヴィクトリア女王のウナとライオンがあります。

ウナとライオン5ポンド金貨

標準的な価格は2,000万円とも言われる高額コインです。発行枚数は400枚でとても少ないのですが、世界のオークションを見渡しますと、出品頻度が意外に高いことが分かります。

1年間に数回程度は見られるのでは?という印象があります。

理由は不明ですが、世界からの注目度が高いことが理由の一つかもしれません。このウナとライオンについては、「高額だけれど、買うチャンスがあるコイン」という理解で良さそうです。

とはいえ、「400枚の中でも最高品質に近いコイン」を求める場合は、簡単にはいきません。

所有者は、そのような貴重なコインを売りたくないでしょう。よって、何年(または10年単位?)もの時間をかけて、じっくり探すことになります。

安価なのに買えないコイン

その一方で、「価格は安いのに、全然買えない」というコインも数多くあります。無数にあるという表現でも良いくらいかもしれません。

例えば、下のコインです。

1851年 ジュネーブ射撃祭記念 1ターレル銀貨(ソーコールドテーラー)オリジナルケース付き【トーン・完全未使用品】

【コインNo】 8038
【額面】1ターレル
【年号】1851年
【材質】銀
【直径】38mm
【グレード】Tone FDC
【発行枚数】1,274枚

売り切れ

これは、スイスで行われている射撃祭を記念したものです。メダルですが、1ターレル銀貨相当ですので、so-called taler(通称テーラー)と呼ばれています。

so-called talerは、5種類だけ存在しています。

このコイン価格は、破格の高値とは言えないでしょう。記念メダルですから、発行枚数は多くありません。また、FDC(完全未使用)です。よって、珍しいです。しかし、価格はそこそこです。

なお、メダルだけの価格を純粋に考えると、もっと大幅に安いです。では、なぜこの価格なのか?ですが、このメダルが発行された当時のオリジナルケースがあるからです。

オリジナルケース

ダルマの大谷社長は、アンティークコインの世界で極めて著名な人物です。世界全体の業界団体であるIAPNで10年以上も副理事を務め、世界中のコインを扱ってきました。

その大谷社長でさえ、「ケースの現物は初めて入荷した」という逸品です。

もしかすると、世界で現存する最後のケースの可能性さえあります。このケース付きだから、価格が高くなっています。これを買わなかった場合、後日になって欲しいなと思っても、生きている間に買えないのでは?と思えます。

そのような珍しいコインですが、冒頭で確認したウナとライオンと比べると、その価格差は圧倒的です。文字通りの桁違いです。3桁も違います。

これが、アンティークコインの興味深い点の一つです。希少性と価格は、必ずしも比例しません。コイン価格は、希少性だけでなく、材質や人気度なども反映されることを示しています。

関連・参考ページ
スイス射撃祭コイン

アンティークコイン収集の戦略

これを踏まえて、アンティークコインの収集戦略を考えてみます。

珍品なら何でも買う戦略

あまりに希少なコインが見つかる場合、そこそこの価格なら積極的に買うという方法です。高価な場合は難しいでしょうが、価格によっては可能です。

アンティークコインの上級者から、「よくこんな珍品を見つけましたねえ!」と驚かれるようなコイン収集を目指します。

後日、その分野のコレクターがそのコインの存在を知れば、高値でも欲しいと思うでしょう。その時のために、「本当に欲しい人がいれば、自分にいくらか利益になる価格で販売してもいいよ」と、業者に伝えておくのも良いでしょう。

この方法の場合、コレクションと資産運用の両方を視野に入れています。

関心のある分野の珍品を買う

特定の分野に関心がある場合、その分野で珍品が出てくれば、欲しいと思うでしょう。そのときだけ買います。この戦略で買うのは一般的なことだろうと思います。

スイス射撃祭コインのシリーズを集めている場合、今回ご案内した箱付きコインは是非とも買っておきたい逸品のはずです。

珍品が珍品である理由は、数が極めて少ないからです。よって、特定の分野の珍品だけを買おうと頑張ると、コイン収集が全然進まないという場合もあるでしょう。

よって、珍品が出てきた場合に備えて資金を確保しつつ、通常のコインを集めます。筆者は、この方法を採用しています。

コレクション【カテゴリ】

ページトップへ戻る