金貨収集の必携書籍「Gold Coins of the World」を徹底解説!

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どうやって金貨を調べるか 

紀元前500年頃以降、金貨が発行され続けています。ということは、世の中には数えきれないほどの金貨があります。

・自分はどんな金貨が欲しい?
・自分が持っている金貨は、いつの時代のもの?
・ある国王は、何種類の金貨を発行した?
・どの国に、どんな国王がいたの?
・他の金貨と比べて、自分の金貨はどれくらい価値がある?

このような疑問を調べるには、どうすれば良いでしょうか。ウェブサイトで検索しても良いですが、簡単にはいきません。

そんな時に活躍する書籍(カタログ)があります。『Gold Coins of the World』です。

Gold Coins of the World

『Gold Coins of the World』の外観は、下の通りです。縦306mm、横218mmです。大きな百科事典という感じです。世界の21,000種類の金貨が掲載されています。

一般的には、「フリードバーグ(Friedberg)」と呼ばれています。フリードバーグ夫妻が著者です。

フリードバーグ(Friedberg)

このフリードバーグですが、発行年代順に金貨を把握できます。また、どんな国王がどんな金貨を発行したか、金貨の価格はどれくらいかというのを簡単に把握できるようになっています。

フリードバーグの読み方

では、フリードバーグの読み方を確認しましょう。下は、googleから持ってきた画像です(紙媒体は白黒です)。

Gold Coins of the World 9th Edition

(引用:Google Books

Googleに掲載されているなら、紙媒体の書籍を買わなくても良いと感じるかもしれません。しかし、紙で確認する方が、圧倒的に便利です。

  • Googleでは、一部の金貨のみ掲載
  • 電子媒体と比べ、紙媒体はページ間の移動が簡単
  • 紙の方が、見開きにしたときに分かりやすい
  • 記憶に残りやすい

小説などを、文庫版と電子書籍版で読み比べたことはある方は、納得していただきやすいと思います。

電車での移動中にも眺めていたい等の場合を除いて、紙媒体の方が扱いやすいです。

では、上のページの左上部分を拡大して、読み方を確認しましょう。

フリードバーグの読み方

国名などの見出し

ここでは、東ローマ帝国及びビザンティン帝国の金貨が集められていることが示してあります。

2歴史

ビザンティン帝国の歴史が、簡潔にまとめられています。

3小項目

以下、東ローマ帝国の金貨が並んでいるという見出しです。

4国王及び在位

時系列順に、国王名と在位年が示されています。この部分を見るだけで、ある国の国王の変遷が分かりますので便利です。

東ローマ帝国の場合、以下の通りです。後ろの数字は、在位です。

Arcadius, 383-408
Eudoxia(Arcadiusの妻)
Theodosius II, 402-450
Marcian, 450-457
(以下続く)

このような感じで、王位の変遷や、各王がどのような金貨を発行したかが分かります。

なお、上から2番目の「Arcadiusの妻」とは何だ?という感じですが、彼女の像を描いた金貨が発行されたという意味です。

5金貨情報

その国王が発行した金貨について、名前や価格、金貨の外観が示されています。この部分の読み方を、もう少し詳しく見てみましょう。

金貨情報の読み方

Bust / Victory seated

これは、コインのデザインを示しています。表側は為政者の胸像、裏側は、座っている勝利の女神像です。

2.(2)など

最も左側に2.3.などと数字があります。これは、コインの番号です。アンティークコインを調べると、「Fr20」などと記号が出てきます。これは、『フリードバーグに20番目に記載されている金貨です』という意味です。

記載順番の記号

例えば、上のイギリスの金貨の場合、赤枠部分に「Fr399」とあります。これは、「フリードバーグで、イギリス部分の399番目に掲載されています」という意味です。

フリードバーグは世界的に有名なカタログです。アンティークコインを調べると数字が掲載されていますので、その数字を頼りにして調べることができます。

Solidus

これらの文字は、金貨の種類を示しています。Solidusはソリデュス金貨(ソリダス金貨)という意味です。

250 1000

一番右に、数字が並んでいます。この数字を理解するために、下の画像をご覧ください。

コインのグレードの表記

赤枠が2つあります。右側の最上部にEF、その左はVFとあります。これは、コインのグレードを示します。数字は、そのグレードの場合のコイン価格を示しています。

VFで250とはすなわち、グレードがVFならば、平均的には250ドルくらいの価格ですよ、という意味です。

金貨の価格

なお、実際のコイン価格を調べると、フリードバーグに掲載された数字よりも高いことが珍しくありません。

これは、フリードバーグが誤っているのではなく、取引価格が上昇した結果です。

フリードバーグの最新版は第9版であり、2017年発行です。すなわち、掲載されている価格は、2016年時点の数字です。2016年に価格を集計して、2017年に発行されています。

この記事を掲載したのは、2019年です。すなわち、3年間で、現実の流通価格はカタログ価格よりも高くなっていることを示します。

フリードバーグを第1版から並べてみますと、価格の変遷が分かります。「第1版のころに買っておけばなあ…(今頃は大きく儲かったはずなのに)」という金貨が、いくらでも出てきます。

よって、フリードバーグに掲載されている価格は、参考としてご利用ください。

ちなみに、さらに版を重ねた後に第9版(現在の最新刊)を見ると、「第9版のころに買っておけばなあ…」という感じになるかもしれません。今までの価格推移を見ますと、そうなっても全く不思議はありません。

価格情報の使い方

なお、フリードバーグの価格情報には、別の使い方があります。それは、複数の金貨の価値を比較するという使い方です。

ソリデュス金貨の情報

上の画像で、ソリデュス金貨の価格は、VFで250ドル、EFは1,000ドルです。時が流れ、EFの一般的な価格が2,000ドルになったとしましょう。価格が2倍になりました。

この場合、VFも2倍の500ドルくらいが相場だろう、と分かります。

世界的なコインの人気序列が大きく変わらない限り、この価格比は概ね維持されます。コイン価格を考える際の参考になります。

金貨を買うなら、フリードバーグが必携

アンティークコインで金貨を調べると、多くの場合、コインの紹介欄に「Fr…」と記号が出てきます。

すなわち、コインを掲載しているメディア側は、読者がフリードバーグを参照することを前提としてコインを紹介しています。

どの時代にどのような金貨が発行されたかを確認するため、そして、金貨をより深く知るために、ぜひ手元に置きたい1冊です。

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