コインオークションでの出品者、落札者の駆け引きと戦略

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オークション「あるある」

この記事では、コインオークションで見られる光景を考察します。

ちなみに、この「あるある」を知らなくても落札できます。高値になっても、パドル(入札用の番号札)を上げ続ければOKですから。

しかし、それでは大金が必要かもしれません。そこで、小ネタをご紹介します。オークションの興味深い一面を見ることができます。

スタート価格の決め方

オークションでは、それぞれのコインについてスタート価格が決められます。貴重なコインは高額になり、ありふれたコインはそこそこの価格になります。では、スタート価格は、どのように設定されるでしょうか。

一般的には、「スタート価格は、相場価格よりも少し安価に設定」されます。

この理由ですが、確実に落札してほしいからです。相場価格よりも多少なりとも安いなら、そのコインを欲しいと思う人は確実に入札してくれるでしょう。

欲しい人が複数いれば、価格は徐々に上昇していきます。

出品する人は、売りたいから出品します。そこで、確実に売るために、相場よりも少し安い価格からスタートするのが合理的です。

高額で売りたいのが本音でしょうが、相場よりも高値に設定すると、誰も入札してくれないかもしれません。それでは残念です。

よって、入札に参加する私たちから見れば、スタート価格付近での落札を狙って入札するという戦略を立てられます。

他の落札者が対抗して高値になってきたら、入札から撤退します。

スタート価格が高値になることもある

スタート価格が相場よりも少し安いなら、出品されたコインは全部落札されるでしょう。しかし、現実には、誰にも入札されずに不落になることがあります。

すなわち、売買不成立です。なぜ、こんなことが起きるのでしょうか。理由は、少なくとも2つありそうです。

そのコインに関心がある人がいなかった

オークションには、大勢が参加します。しかし、不落になったコインについて、たまたま買いたい人がいなかった、という場合です。

コインは数えきれないほどの種類がありますから、こういうこともあるでしょう。

スタート価格が高すぎた

もう一つの理由は、スタート価格が高すぎたという例です。一般的に、スタート価格は相場よりも少し安めに設定されます。しかし、出品者の希望で、スタート価格を変更することも可能です。

何らかの理由で、スタート価格が相場よりも高額に設定されたとしましょう。この場合、誰も入札してくれない可能性があります。

スタート価格で入札して安く買いたいという場合、目的のコインの相場価格はいくらなのか、ぼんやりとであっても事前に知っておく必要があるでしょう。

でないと、スタート価格で買ったのに少し割高だった、ということになりかねません。

もちろん、欲しいコインだったら、多少割高で買っても全く問題ありません。アンティークコインは、買いたいときにいつでも買えるわけではないからです。オークションで買えるチャンスに巡り合えたら、それを生かすことが大切です。

高額コインが落札された後

大きなオークションになると、誰もが注目するようなコインが出品されることがあります。スタート価格が1,000万円前後になるようなコインです。

そして、どうしても欲しいという人が複数いて、競争になったとします。

その結果、スタート価格とは比較にならないような高値で、落札価格が決まることがあります。

すると、どうなるでしょうか。会場がどよめきます。筆者も、「おお~」と感嘆の声を上げます。そして、一緒に会場に来ている人と、「今のすごかったね~」などと小声で話をします。

自分が入札に参加したわけではありませんが、余韻に浸ります。これは、多くの人がそうなるでしょう。

オークション会場の余韻は静まらない

しかし、オークションは続いていきます。全員の余韻がなくなるまで待ちません。この場合に、興味深いことが起きる場合があります。

それは、「高額落札価格になったコインの次に出品されるコインは、安値で落札されることがある」です(いつもそうなるとは限りません)。

入札に参加している人は、余韻に浸っています。すなわち、気持ちの切り替えが十分でありません。このために起きる現象です。

高額落札になりそうなコインの次に出品されるコインが欲しい場合、余韻に浸らずに気持ちをしっかりと維持しましょう。大きなチャンスに巡り合えるかもしれません。

一気に決着をつけたい場合

自分がどうしても欲しいコインが、出品されているとします。そのコインは高額ではありませんが、高額になっても構わないから、どうしても欲しいとします。

なぜなら、そのコインはなかなか世の中に出てこないからです。

スタート価格は5万円だったとします。オークショナーは、周りの状況を見ながら徐々に価格を引き上げていきます。

5万円
5万2千円
5万4千円…

徐々に価格が上がっていきます。オークション会場を見渡すと、どうしても欲しいと思っている人がほかにもいるようです。大勢がパドル(入札用の番号札)を上げています。

インターネット経由でも、入札参加者がいるようです。

ライバルを一気に突き放して勝利したい、と感じる場合があるでしょう。この時に発動する技です。

「落札するぞ」という、強い意思表示

大きな声で、「10万円!」とオークショナーに伝えます。すなわち、今の価格に関わらず、10万円で買います!という強い意思表示です。

オークショナーは、高い価格で買いたいという人がいれば、その人を優先します。入札の現在価格は、いきなり10万円に跳ね上がることになります。

これで、他の入札参加者の意欲を削ります。その結果、自分の勝利が近づきます。筆者がこれをされたら、簡単に戦意を失って降参します。

しかし、これで勝利が確定しない場合があるのが、オークションの興味深いところです。どうしても欲しいという人が他にもいる場合、その人はパドルを上げ続ける可能性があります。この場合、さらに価格が上昇します。

その戦いの様子を見守るのは、とてもワクワクします。

複数枚が同時にオークションにかけられる場合

オークションに出品されるカタログを見ますと、あることに気づきます。それは、複数のコインや紙幣が、まとめてオークションにかけられる例です。

例えば、100枚の紙幣をまとめて1つの出品物として、オークションにかけられる場合があります。

落札できれば、一気に100枚の紙幣を獲得できます。

このような場合、1枚1枚の価値は低いことが多いです。1枚で高額の入札になる逸品ならば、まとめて出品しないで個別に入札にかけるでしょう。

それが期待できない場合などに、まとめて入札にかけられます。

「お宝」が紛れ込んでる、かもしれない

ところが、こういった出品物に「お宝」が眠っている場合があります。例えば、特年です。特年とは、特定の年号だけ発行数量が極めて少なくて価値が高い、という年号です。

数多くの枚数に紛れて特年があれば、貴重な紙幣やコインを安値で購入できることになります。

特年の知識があり、出品物を事前に調べれば、もしかしたらお宝に巡り合えるかもしれません。この幸運に恵まれる可能性は高くないので、期待しすぎるのは禁物です。

出品した本人が落札する場合

オークションに自分のコインを出品する理由は、何でしょうか。それは、売って現金を得るためです。しかし、出品したコインを、自分で落札するという場合があるようです。

なぜ?ですが、2つのパターンがあるように思います。

希望額よりも安く売りたくない

一つ目は、希望額よりも安く売りたくない場合です。以下の例があったとしましょう。数字は適当です。

  • スタート価格:500万円
  • 希望売却価格:1,500万円

スタート価格は500万円ですから、極めて貴重なコインです。人気もあるとします。しかし、人気があるといっても、1,500万円で売れるかどうか、微妙かもしれません。

そして、出品者は、安く売りたくないと考えているとします。安く売るくらいなら自分で買い戻したい、という状態です。

この場合、オークション主催者に、あらかじめ希望売却価格(この例では1,500万円)を伝えます。そして、誰かが1,500万円以上で入札したら、コインは入札者のものになります。1,500万円に満たない場合は、自分が最終入札者となって落札します。

こうすれば、安値で誰かに売ることはなくなります。この方法を「リザーブ」と言います。

この方法を使う場合、入札価格が1,500万円に到達しなければ、自分で自分のコインを買うことになります。手数料を支払う分だけ損になりますが、それでも仕方ないという場合に実行します。

手持ちコインの評価額を上げたい

もう一つ、リザーブを使って自分で自分のコインを落札する場合があるようです。それは、自分が持っているコインの評価額を上げたい場合です。

どこかに、お金持ちのコレクターがいるとします。そのコレクターは、自分が持っているコインの評価額が高いことに満足するタイプです。

そこで、売る気はないけれど、人気がある自分のコインを出品します。

すると、人気があるコインですから、大勢が入札に参加してくれます。自分も、リザーブで入札に参加します。そして、競争の結果、最終的に自分で落札します。

こうすることで、以前の評価額は更新されます。すなわち、新評価額は以前より高額になります。

出品した人は、高い評価額を得られて満足するというパターンです。評価額を高められるなら、手数料は痛くないと考えます。

なお、出品した結果、安値で落札になってはいけません。そこで、相場状況や、出品するオークションでの予想落札価格を丁寧に調査してから実行します。

また、リザーブ価格を超える入札があってはいけません。本当は売りたくないのに、誰かに売ることになるからです。そうならないよう、リザーブ価格は十分に高値に設定します。

これは、一般の人には実行できない(と言いますか、実行することを想像できない)例でしょう。お金持ち限定の楽しみ方です。

オークションの最終盤

オークションは、朝から晩まで続きます。そして、終了予定時刻はあらかじめ決まっています。その時刻を越えてオークションをすることはありません。

オークション会場はホテルなどになりますが、契約に従って会場を引き渡す必要があるからです。

ところが、オークションが大盛況となり、進行が遅めになったとしましょう。その結果、残り時間が短くなってきたのに、入札を待っているコインは多く残っています。

この時に起きる現象です。

オークショナーは、時間内ですべてを終了させるため、コイン1枚1枚にかける時間を短くします。そのコインを落札しよう!と事前に決めていた人は、決めたとおりに入札しますので、何の問題もありません。

しかし、その場で考えて入札に参加するかどうか考えようという人は、入札に参加するのが徐々に難しくなってきます。考える時間を短くしなければならないからです。

すなわち、入札参加意思を事前に決めている人が、有利になります。

まとめ

以上の豆知識は、自分の意思でいつでも活用できるものではありません。オークションの状況次第となります。

よって、マメ知識のまま終わってしまうこともあるでしょう。しかし、この知識を生かせる場面がやってきたら、使ってみるのも面白いかもしれません。

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