オークションに参加する際の要点

アンティークコインの世界でも、オークションが一般的に行われています。
参加経験がないと、敷居が高くて参加しづらいイメージだと思います。しかし、簡単なルールを守れば、全く難しくありません。そこで、オークションの参加方法をご案内しましょう。
参加方法
オークションは、年間を通して複数の業者が実施しています。当サイトでご案内しています株式会社ダルマの場合、フロアオークション(ホテル会場のオークション)が年2回、インターネットのみのオークションが年1回開催されています。
下のリンク先のホームページは、日本コインオークション(ダルマの関連会社)です。開催日と出品コインが決まると、詳細が公開されます。
その内容を確認し、オークションに参加しよう!と決めたとします。会場は、東京都品川にあるプリンスホテルが多いです。
参加方法は、全部で7通りです。
- オークション会場に行く
- インターネット(ライブ)で参加
- 電子メール
- 電話
- 郵便
- FAX
- 代理入札
この記事を読んでいただいている方は、インターネットを使える環境です。そこで、電話、郵便、FAXの選択肢を除いて考えます。
オークション会場に行く
オークション会場に足を運ぶ場合を中心に、確認しましょう。
会場に行ってオークションに参加する場合、事前登録しなくても、会場で参加登録可能です。
ただし、オークション開催会社から見ると、いきなりやってきた人が本当にオークションに参加したいのか、単なる冷やかしなのか区別がつきません。また、高額なコインも出品されますし、来場者の安全の確保が必要です。
このため、株式会社ダルマと面識のない人が参加する場合は、住所氏名等を会場で記入するとともに、身分証明書の提示を求められます(運営がコピーを保管します)。
場合によっては、事前に保証金を出すように要求される場合もありますが、それは少数派です。社会人にふさわしい身なりと言葉遣いで登録しましょう。
事前登録なしで会場に行くのが不安な場合は、事前登録しましょう。ホームページから登録可能です。
オークション開催時間
オークションの開催時間は、午前9時30分から終了までです。出品コインの総数やオークションの進行速度にもよりますが、概ね午後7時30分には終わります。
では、10時間もずっと参加し続ける必要があるのか?ですが、その必要はありません。
当サイト運営者は、朝から晩までずっとオークション会場にいることがあります。しかし、多くの参加者は、自分が落札したいコインがオークションに出るころにやってきて、終わったら帰ります。
よって、古代コインが欲しかったら、午前9時30分にやってきて、10時には会場を後にすることもできます。
出入りは自由です。よって、午前10時にやってきて11時に退場し、午後3時に再度入場することも可能です。
会場でもらえる物
では、会場で受付をするともらえる物を確認しましょう。全部で3つです。
1名札
首からぶら下げるタイプの名札です。受付で登録したことを示すものです。会場を出入りする際には、必ず首にかけましょう。
会場を出て、もう戻らないという段階になったら、名札を運営に返しましょう。
2パドル
パドルとは、番号札です。下の写真は、当サイト運営者が使用した実物です。落札したいコインのオークションが始まり、「この価格だったら落札したい」という金額の時に、この札をオークショナー(司会者)に見せます。

パドルの大きさは、B5版です。
3パンフレット
パンフレットは、A4版で全面カラー印刷の豪華なものです。「パンフレット」の名前から想像できるような、ペラペラの紙ではありません。1枚1枚が重厚で、オークションが終ったからといって捨てることはできないような、素晴らしい作りです。

このパンフレット自体がコレクションアイテムになるのでは?というくらいです。
コインのデータはウェブサイトにも掲載されていますが、このパンフレットを見ながら吟味できます。
オークション会場で気を付けること
次に、オークション会場で気を付けることをご案内しましょう。おそらく一つです。「静かにすること」です。
オークションは、朝から晩まで続きます。オークショナーが価格を発声し、その価格で買いたい人はパドルを上げます。すなわち、声が会場内に十分に届くことが必要です。
よって、静かにしましょう。ごく小さな声で私語をしても、他の参加者の迷惑になります。ずっと黙っているくらいが最良です。
落札したら
では、落札に成功したとしましょう。どうやってコインをもらえば良いでしょうか。
まず、落札したコインは、その場でもらうことはできません。オークションの翌日以降になります。
また、支払う金額は、落札価格と異なります。以下の金額の合計額です。
- 落札価格
- 落札価格の10%(手数料)
- 手数料にかかる消費税
例えば、10万円で落札した場合、実際に支払う額は111,000円となります。実際に支払う額については、オークションの翌日午後に、日本コインオークションに電話で確認できます。また、同社から送られてくる郵便で確認することもできます。
金額を確認後、振込で支払います。支払い後、そのまま待っていれば、郵送で受け取ることができます。
日本コインオークションのオフィスに出向いて、直接受け取ることもできます。この場合は、オークション開催翌日の午後4時までに、日本コインオークションに電話しましょう(受取り方法は、オークション参加の登録時に設定できます)
当サイト運営者の場合、オフィスに行って直接もらうことを好みます。運営スタッフと話をすることで、コインに関する良い情報をもらえるかもしれないからです。
なお、株式会社ダルマでは、常設でコインを販売しています。オフィスに行くと、自分好みのコインが見つかるかもしれません。
ダルマの常設販売コインを買う場合は、「アンティークコイン.jpを見てきました」と伝えましょう。プレゼントの外国コインをもらえます(参考:アンティークコインの購入方法)。
会場、ネット、メールのいずれが良いか
では、オークションに参加する方法のうち、3つを比較しましょう。どれが最良でしょうか。
- オークション会場に行く
- インターネット(ライブ)で参加
- 電子メール
電子メール
最も不利なのは、電子メールです。オークションが始まる前に、最大入札価格を指定してメールで運営に通知する方法です。
例えば、どうしても欲しいコインがあって、最大入札価格を50万円に設定したとしましょう。この場合、落札価格が50万円以下ならば、そのコインは自分の物になります。
最大入札価格を50万円に設定していても、40万円で落札できるかもしれません。いくらで落札できるかは、他の参加者次第です。
しかし、オークションが白熱して、最終的な落札価格は51万円だったとしましょう。
この場合、「50万円を超えたから仕方ない」と思うか、それとも「あと1万円ならば、頑張って入札できた」と残念に思うか、どちらでしょうか。
電子メールの場合、事前に金額を決めます。よって、オークションの状況によって臨機応変に対応することができません。しかし、オークション当日は別件があって参加できない場合に、電子メールは有効です。
インターネット(ライブ)
次に不利なのは、インターネット(ライブ)です。ライブですから、会場のオークションにインターネットで直接参加します。
よって、会場にわざわざ足を運ばなくても良いのがメリットです。
しかし、どうしても欲しいコインの番が回ってきたときに、たまたま回線がダウンしてしまった、PCやスマホがフリーズした…このようなことがあっても、救済措置はありません。
どうしても欲しいコインがある場合は、会場に行くのが最良です。
しかし、会場まで行けないという場合もあるでしょう。その場合、インターネットの不具合がないように気を付けながら、オークションに参加しましょう。
会場に行く
というわけで、最良なのはオークション会場に行くことです。しかし、デメリットがなくはありません。
超高額のコインを落札したい場合
例えば、数千万円規模のコインを落札したいとしましょう。この場合、会場でパドルを上げるのは、抵抗があるかもしれません。
なぜなら、「自分は少なくとも数千万円以上を持っている」ことを、会場にいる人全員に知らせることになるからです。
これが不安な場合は、運営に代理入札を頼むことができます。あまりに高額(と見込まれる)コインを落札したいけれども不安な場合は、事前に運営に相談してみましょう。
以上の内容は、オークションに参加する際の要点をまとめたものです。実際に参加する場合には、「オークションに関する規定と条件」を必ず確認してください。
次にページでは、オークション会場でのコレクター同士の「攻防戦」について紹介します。
コレクション【カテゴリ】
目次
- アンティークコインをコレクションする理由
- アンティークコインの偽物を避けて安全に買う方法
- このサイトでコインを購入する手順のご案内
- お手持ちのコインを安心して売却するために
- アンティークコイン詐欺と対策方法
- 金貨収集の必携書籍「Gold Coins of the World」
- アンティークコインのオークションに参加する方法
- アンティークコインのオークションでの攻防戦
- コインオークションでの出品者、落札者の駆け引きと戦略
- IAPNとは-コインの真偽を判断できる加盟業者
- コイン鑑定・保証会社【NGCとPCGS】
- 世界最高品質のアンティークコイン~世界最高とは
- 存在自体が貴重なアンティークコイン~一期一会
- アンティークコインの特殊性と収集戦略
- 試作貨幣【コイン量産前の試験的な貨幣】
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